あまりに語り尽くされていない。
表象はあまりに無言に消費され続けている。
オタクがどうして、アニメを享受し続けるのかとか、 少女がどうして、何度でも初恋を思い出すのかとか。
それから離れられなくなるその態度を誰も、あまりに語り尽くしていなさすぎる。
存在についてもそうであるし、神についてもそうであるだろう。
超越論的な言はもうできないのだから、日常を生きるように、非現実を語らなければ語り尽くせない。
語り尽くせていないということをいくら言っても足りない程に、あまりに口を閉ざしている。
存在はなんのために生まれ消える?
その期間を限定する稀有なアイデアに、何を閉じ込めたのか。
二重括弧で括られる〈〈神〉〉は、もはや人間を語るための概念的人物となった。
ここにはどんな役者が設えられるのか。 語るに尽くすのがちょうどいい、一生語り尽くすくらいでちょうどいい。